
面白さ
★★★☆☆☆☆☆☆☆
読みやすさ
★★★★★★★★☆☆
語彙の難しさ
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
Rich Dad Poor Dad 金持ち父さん貧乏父さん 英語原文レビュー 最速でお金持ちになるには
総評
非常にinspirational、鼓舞されると言われながらも、物議をかもし出している本。
特に最初の幾つかの章は非常に鼓舞される感じ。
お金持ちと、それ以外のマインドセットの違いを紹介しており、なるほど~と思う。
しかし、鼓舞され、恐怖にたじろぐな!行動に移れ!と言われる割に、哲学的、気持ち的な言及に終始して、実際の方法に関しては触れられていない。
読み進めてみると、いろいろと物議を生み出しているのも理解できる。
本のポイント
良い教育を受け、良い職に就き、高いサラリーを貰う様になっても、家のローン、子供の教育費、次々にかかる出費で、いつまでもお金はたまらない。
多くの人が、より稼いではより出ていくというRat Race(ネズミのレース)から抜けられないのだ。
著者の ロバート徹 清崎さん の父はそのような「貧乏父さん」であった。
しかし、ロバートの友人、マークの父は事業をしており、「金持ち父さん」である。
ロバートは、自分の父よりも、お金持ちのマークのお父さんの教えを信じ、お金持ちになった。
金持ち父さんの教えとは。
お金持ちになるのに大事なのは、
お金を払う為にお金を稼ぐのではなく、
お金に働いてもらう事
多くの人は家や車に大きなお金を払って、自分のAsset、資産だと思っているが、それは実はLiability、負債なのである。
資産と負債を勘違いしてはいけない。最初に資産を築き、お金を生み出す仕組みを作ってから欲しい物を買ったらよいのだ。
お金が入ったら使わずに、お金を生み出す”資産”に投資し、十分に溜まったら、そこから出てくる利益で贅沢品を買う。
これ以上賛成できないくらい賛成。
非常に鼓舞的で、納得できる。
友人、知り合いにも読んでもらいたいと思ったくらい。
しかし。。。
しかし、中盤あたりから少し調子が変わってくる。
●会社を立てれば、税金を取られる前に、必要経費としてポルシェが買えるとか。
●競売物件に流れた家を裁判所で購入し、手付金だけ払って、自分の物にし他の人に割安で売って$60,000をたった5時間で稼いだとか。
●家の市場が悪い所で、安く買い、外国人に売ったりとか。
少し、なんか複雑になってきた。
それでは実際リッチになるにはどうしたら良いのか?
この本を買う人、貧乏な生活や、一般的な生活から抜け出したい人が待ち望んでいた、「お金持ちになるにはどうしたら良いのか?」に入ってくる筈なのだが。。。
「恐怖、怠惰、悪癖が貴方を金持ちになる事から遠ざけている。」
「失敗を恐れるな!恐怖に立ち向かえ!」
「~が起こったらどうしよう」と悩んでいないで行動に移せ!」
と精神論を言ってくるばかりで、具体的な方法には触れてない。
「良い学校を出て、良い職について、頑張って働く」というのをRat Race(ネズミのレース)と称する割に、そこから出る方法は示してくれない。
それって。。。「君はネズミだ!ひたすら働く貧乏人だ。」「金持ちになるには勇気をもって行動しろ!」
「何をしたら良いかは自分で考えてね♥」
っていう事かしら?
訴訟
著者のロバート清崎さんは、Rich Dadにちなんだ「お金儲け」のセミナーを開いて、「早く金持ちになろう」いう方法の合法性に問題が指摘されています。
またその授業料が高額なのにもかかわらず、現実的に使える技術の教授が無かったと受講者から訴えられているそうです。
そして2012年には彼の会社は自己破産を申し出ているとか。
論争
ロバートさんの父親は日系三世(アメリカに渡って三代目の日本人)である筈なので、
第二次世界大戦を日系人としてアメリカで生き抜き、日本人隔離政策、日系人財産没収などを体験してきて、それでも働いて家族を養った人だとうかがえる。
その父が「貧乏父さん」というのは、少々悲しい。
また、「失敗しても立ち上がれ」と説明している所では「真珠湾攻撃の後、眠れる獅子が目覚めたように」とあるが、真珠湾は日系人の発言としては 微 妙 な 所 も あ り ま す ね。
ただ、逆を返せば、「時代を反映した深い読み物」という事も出来ます。
Rich Dad Poor Dad 金持ち父さん貧乏父さん レビュー結論
特に最初の方は、非常に鼓舞される。
しかし途中辺りから、貧乏人や中流階級がRatと言われている割に解決案が示されないので、取り残された感じがしなくもない。
私的な結論としては、「知りたい事全部は知れなかったが、凄く鼓舞された」という所でした。
この本で人生が変わったという日本人も良くネット上で見かけます。
確かに、実際に読んでみると、”目からウロコ”の場所もいくつかあります。
賛否両論はあるが、
開眼の書としてはかなりOKです。
日本語版
この方がイケてるかも。
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