昔描いたイラストの色やライティングがダメに見えて直したくなる時があります。
数年前に描いたこの絵を直したかったんです。
光は鈍いし、色も泥っぽいし、結局魅力がない絵です。
当時、色構成に混乱していた時だったんです。
光と空間の感じが弱いので、この絵は結局この女性の”モデリング”になってしまいました。
石膏像とか、ヌードのデッサンを日本では勉強したりしますが、これって絵を作るというよりは、”モデリング”なんです。西洋はもっと光と空間に重点を置きます。「人」よりも、「世界」に焦点があるんですね。
なので、アメリカでも人物を上手く描けたりCGモデリングがうまいのは主に日本、韓国のアジア人です。
数年たった今、この絵を直す事にしました。
昔描いたイラストの色と光をKritaで修正して描きなおす「慰謝料ブレード」
上からブラシで描いていっては、最初から始めるのと同じ時間がかかってしまいますから、
私は幾つかのテクニックを使って必要のない描きなおし(モデリング)を省く事にしました。
クリタで色調整をする
私はクリタを使います。
クリタは絵を描いたり、手描きアニメーションをする際にフォトショップに勝るとも劣らないソフトです。
特にアニメーションは秀逸でとにかく一番扱いやすいソフトウェアでしょう。
クリタは全ての人を2Dアニメーターにしてくれます。(クリタはTV-paintやOpenToonsよりも良いソフトと感じられます。)
最初のステップ – 参考資料を集める
まず参考資料を集めましょう。
良いアーティストほど、沢山参考資料を集めるものです。
私は空と光の参考資料を集めました。(もしあなたが欲しい物に近いペインティングを見つけたら、それを参考資料に使ってしまいましょう。色使いを盗むのは犯罪ではありませんから!)
ライティングとカラーをサムネイルで試そう
実際にペイントし始める前にサムネイルを作る事を推奨します。
往々にして、プランしたようにはペインティングは進まないからです。
自分の欲しかったイメージに近づく様に、小さいピースでシミュレーションをしておきましょう。
リファレンスイメージツール
クリタにはこの素晴らしいリファレンスイメージツールがあります。
参考資料をこのように、絵の周り、絵の上にでさえセットする事が出来るのです。
私は推奨しませんが、しかし絵を描いているときにこの参考画像から色をサンプルする事さえも出来るのです(色をコピーする事よりも、色を作れるようになった方が良いです。いつかバッチシの参考資料が無かった時に自分で混色できるように)
光と色を調整しましょう
今回は、幸い、主役を別レイヤーに分けてありました。。
レイヤーの複製
私はこのレイヤーを二回複製して、3枚用意しました。キーライト用、影用、そしてバックライト用です。
フィルターマスクを適用しましょう。
Adjust listから好きなAdjust layer(調整レイヤー)を選びましょう
私はColor Adjustmentを選びましたが。
Channel プルダウンメニューから、 Red赤, Green緑, Blue青, RGBA全色, それからSaturation(彩度)の調整まで選択出来てしまいます。
自分の好きなように調整しましょう。
Here are layers for 1)key-lit, 2)shaded, 3)back-lit
これらが、作ったキーライト用、影用、そしてバックライト用のレイヤーです。
Transparency Mask透明マスクの適用
Transparency Mask(透明度マスク)を適用します。
New layer ボタンを押して、3つ全てのレイヤーにTransparency Mask(透明度マスク)を適用しましょう。
透明度マスクレイヤーが選択されている事を確認し、マスクに白黒でペイントします。
マスクが黒に近いほど透明になり、白に近いほど不透明になります。
この3つのレイヤーを重ねると、このように見えます。
一度この3つのレイヤーをセットすれ場、後からでも色を、明るいところ、暗いところ、バックライトの所を別々に調整する事が出来ます。
ペインティングの追加
さぁ色調整が終わりました。
しかしながら、この主役の彼女のつまらない服と髪型が気に入りません。
(最初に描いた時のテーマはAlimony(慰謝料)だったので、普通の奥さんっぽくしたかったのです。)
しかし、色調整もおこなったので、もう少しパンチが欲しくなりました。ちょっとレッドソニアっぽくしてみます。
背景も同じように、背景の空と環境をこの主役と調和するように、ラフな筆のタッチで描きました。