アメリカ人がアメリカ人の管理法を説いた日米ビジネス文化論。
アメリカ人部下や同僚を扱いあぐねている日本人ビジネスパーソンとアメリカ人と心底分かり合いたいと思っている国際派日本人に捧げるガイダンス。
「反省しないアメリカ人を扱う方法」という本が話題になりました。今でも有名です。
これって本当に役に立つのでしょうか?
本「反省しないアメリカ人を扱う方法」は実際に役に立つのか
答え
役に立ちます。
アメリカ駐在、アメリカ人部下やアメリカ人同僚を持つ人には必須の書です。
準備不足でアメリカ人と働く事の深刻さ
アメリカ支部に駐在する方、数年任期を終えて、帰国後は出世が待っているかもしれません。
もしくは外資系会社に転職、実力世界で自分の力を発揮して、責任あるポジション、給料アップにつながるかもしれません。
でも本当にそんなにうまく行くのでしょうか?
アメリカ人は日本人にとって本当に扱いにくい人種です。
皆最初は、
と思っているようですが、
実際アメリカ人環境に入ってみて、こんなはずじゃなかったと思うようです。
アメリカ人が言う事を聞いてくれない、仕事をしてくれないと嘆いている日本人マネージャーは沢山います。
さんざんアメリカ人と向き合って、結局嫌われて避けられたりします。
で結局会社をしっかり回す事が出来ずに、マイルストーン毎に頭を抱えていた日本人マネージャーも見てきました。
そして海外にいる間、業績が全く上げれずに、帰国して降格された人も沢山いました。
その後、格下の会社に転職して行くという慣れの果てです。
アメリカ人を扱うという事は今まで日本で培ってきた常識では全然出来ないのです。
「反省しないアメリカ人を扱う方法」も完璧に網羅している訳ではありませんが、最初に致命的な問題を起こさない為にはこれ以上の本はないでしょう。
アメリカ人が日本の企業向けに書いていますので、彼等はどう捉えるか?という事に関して非常に鋭い考察があります。
基本的なアメリカ人、アメリカ社会を理解する第一歩として読んでおくべきでしょう。
私が渡米した当時は、新しく来た日本人社員に「これ読んだ?」が合言葉のようになっていましたよ。
この本の内容
こんな事に関する洞察と解決法が示してあります。
- 仕事をしないアメリカ人
- 文句が多いアメリカ人
- 上司を飛ばしてさらに上と交渉したがるアメリカ人
- 批判/批評を受け付けないアメリカ人
- 言い訳ばかりするアメリカ人
こんな日本人が陥ってしまう事への洞察と解決法も示してあります
- 発言しない日本人
- ミステリアスな日本人
- 現地に順応しない日本人
- 人が確保できない日本人
- 本社とのカルチャーギャップを一身に背負わなければならない駐在さん
そして、何よりもこの本の肝だと思うのは、
クビの無い日本企業は家族的な側面が出てくる。これが一番の違いで、
あまり褒めないし、息子を叱ったからと言って追放はしないが、アメリカは雇用と解雇が頻繁に行われる社会で、褒められず、叱られたら、即お払い箱をイメージする。
家族の一員となるまで、“信頼の障壁”があり、アメリカ人はこの信頼の障壁を超える前に転職してしまう。
頭から信じてよいのか?
鋭い洞察があって、素晴らしい本だが、頭っから鵜呑みにして良い訳でもない。
米国社会で長く働いてから読み返してみると、幾つかの突っ込みポイントがあるからだ。
アメリカ人ひいきな所がある。
著者がアメリカ人なだけあって、多少アメリカ人を援護している所がある。「そういう行動に出るのは、本当に仕事の事を思っているからだ。」等の供述があるが、大抵はそんな綺麗な物ではなく、自分のエゴが先行している事もある。
この本の言っている通りにアメリカ人を美化しすぎると、上手く行かなくなるところが出てくるかもしれない。
現実にはそんな事では解決しない。
「締め切りの重要性を説明すべき」とか、「駐在の立場を説明すべき」とか書かれているが、
そんな事を言ってアメリカ人が共感してくれるイメージがない。
彼等にとってはそれは「他人の家(日本)の事情」で、自分の国に住んでいる自分たちが譲歩するべき所ではないからだ。
教育、職種、組織の違いについて触れていない。
当然だが、会社の職種、構造は全然違うし、その国の教育はその国で将来働きやすいように設計されている。この差は圧倒的で、双方が順応しようとしても10年やそこらですり合わせるのは難しい。
ここに日本支社を運営する人の一番解決がやっかいな問題がある。
この本を読んだ後は
その欠陥はどう補ったら良いのでしょうか?
その辺りの欠落点をこれら一連の記事で補っています。
私が日本支社、純粋なアメリカの企業でサバイバルしてきた知恵を出来る限り記事にしました。
本を読んだら、こちらもチェックして、実際に成功が出来るようにしてください。
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