基本、日本の英語教育は間違いをしないようにする教育です。

英会話は本当は英語の会話力を上げる為の物なのに、表現力を上げるよりも、細かい文法のミスを指摘する事に重点が置かれています。

Berlitzなどは最近のCMで、「Berlitzは、かたこと英語を許しません」と小さな英文法のミスを許さない事を“売り”にしていました。

遠い昔、私がNOVAに通っていた時も、小さな文法のミスがある限り、上のクラスには上げて貰えず、新しい表現には触れられず、自分のボキャブラリーよりもずっと低いクラスで、低級な文を繰り返し繰り返し、一つの間違いも無く繰り返させられました。(後程、辞めると言ったら上げた貰えるのに気づきました)

なんで、Would you like?等の初歩的な繰り返しに何十万も使わなければならないのかと憤った物でした。

足を引っ張る完璧な文法

ビールは数えられない名詞だから、

I would like to have a glass of beer.と言わなければならないと教わりました。

しかし米国の現場では

Two beers please!

というのがまかり通っています。

むしろ、I would like to have a glass of beer.などと言ったらば、「グラス」を強調しているのかと思われて、

I am sorry , we only have pint. 

(ごめんなさい。私達はパイント(量の単位)のグラスしかないんです。)なんて言われそうです。

この完璧な英語をしゃべらないといけないという縛りが日本人の海外でのフットワークを邪魔しています。

喋る場所、喋らないといけない場所で、日本人は「この文法で正しいっけ?」と反芻して、喋ろうと思ったら、とっくに機を逃しているという具合です。

米国で発言するべき会議で発言しない事は大変なダメージです。

細かい文法にこだわる価値は無いのです。

戦いの文化

米国社会での会議は日本のそれの様に優しいものではありません。日本はそれなりに行儀が良いので、人のセリフも妨げないし、最後まで聞き、そこから自分の意見を言いますが、アメリカのブレインストーミングではどんどん白熱してアイディアを上乗せしていきますし、会議で論争が白熱すると、人が喋っている所にかぶせて喋ってきます。

これに対抗できずに喋るのをやめてしまうと、相手に言いたいことを言いきらせてしまうと、勝負は負け、という感じです。

これに対抗するには、被せてくる相手に負けずに、こちらも喋り続けなければなりません。少しでも遅くまで喋り続けた方が勝ちです。

こんな被せあいの状況になってくると、とにかく、意味の通る英語で自分のポイントを主張し続ける英語力が必要です。文法がどうのこうの言っていられません。

日本人はこの様に戦いで使う英語、戦ってこられた時に対抗出来る英語を身につけなければならないのです。(韓国人は日本人と近い所もありますが、これに対して下手な英語でも、いっぱしに戦う中国人は何人も見てきました。さすが大陸ですね。)

それには語彙、表現力、発音です。それとしゃべり続ける持久力です。

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上品な英語

なぜ英会話でも些細な文法ばかりやるのでしょうか?

一つ目の理由はおそらく、日本人が皆「ミスをしない文法教育」で育っているため、その方が「受ける」のだと思います。そういうサービスを提供する方が、喜ばれるのでしょう。

Berlitzなどは会社の英語教育に売り込むのに成功しましたが、やはりそういうサービスが受け入れられるのでしょう。

もう一つの理由としては、英語でのサバイバルが必要ない場合、英語圏の人が私達の言う事を聞かなければならない状況が用意されている時、ミスのない英語は有用です。

例えば日本からの取締役として米国支社に訪れ、アメリカ人に喋る時などは、たっぷり時間をかけ、間違いのない、優雅な英語を喋るのが良いでしょう。

もしかして、会社の英語教育機関を選ぶのはこういう人なのかもしれませんが、現地に向かう駐在さんはこんな余裕はありません。米国企業に単体乗り込んでいく人はもっと余裕がありません。

アジアの人が文法ミスすると格好悪いけど

ヨーロッパ人も良く文法を間違えても馬鹿にされませんが、アジア人が間違えると馬鹿にされる傾向は強いです。

私も自分で恥ずかしい間違いをすると、心ないアメリカ人同士、目配せしてせせら笑っているのを何度も見てきました。

でも、だからこそ、子細な文法にとらわれるよりは、自分の意見をきっちり喋りきる、語彙力、表現力、発音を鍛えて「分からなかった」を言わせない鍛錬の方が必要だと思っています。

「あいつの英語は下手だ」と言われたら、勝ち

英語を勉強し始めの頃はほとんどの英語圏の人が、Your English is great!と言ってきます。

これを言われたら、まだまだだと思ってください。

貴方の英語力が英語圏の人を渡り合えるようになってくると、貴方の子細なエラーを取って、「あいつの英語はまだまだだ」と否定し始めてきます。

これを言われ始めたら、貴方の英語は、「外人として英語圏の人と十分にやりあえる実力になった」と思ってよいでしょう。

最高の誉め言葉、冠として受け取りましょう。

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