日本の「会社」を英訳すると、”Company”なのですが、その形はずいぶん違います。

欧米の社会で生きていくのに、この「会社」と”Company”の差を知っておかないと、あらゆる局面で失敗してしまいます。

日本企業と米国企業の構造の違い

日本の「会社は「人々が寄り合う」companyというよりは、「お家」、英語でいう所の”clan”

が正しいと思います。

「どこの会社で働いているのですか?」というのは、戦国時代で言えば、「お主、どこのご家中の?」と言ったところでしょうか?

そして「働く」というよりも、身分や出身を表す「所属」というのが正しく、英語で言うと、

What company do you work for?

(どこの会社で働いていますか)

ではなく、

What clan do you belong to?

(どのお家に属していますか?)

だと思います。

名刺交換の習慣があるのも、「こんにちは。〇〇家の▽▽でございます。」

と、まず自分の所属を明らかにするためです。

そして皆力を合わせてお家繁栄のために頑張る。

お家繁栄と存続の為には、自分の職業に意地を張りすぎるのも考え物です。フレキシブルに職種を行き来しながらお家を支えていきます。

皆で力を合わせて働く姿は、「おみこし」が近いでしょうか?

力を合わせて持ち上げ、足並みを合わせて前に進む。誰か外れた行動をすればみこしは倒れてしまいますし、誰か背が高かったら、安定が悪いです。皆の体系や力が近ければ近いほどみこしは安定するのです。

誰か一人欠けたら、他の人たちでその分の重量を支えます。

それに比べて米国のcompanyは

はめ込み型パズルのようなイメージです。

ミッションを遂行する為に、companyは構成されます。パズルの土台です。

そして遂行する為のスキル、“はめ込みパズルの穴“が定義され、

合った形の専門を持った人を一時的に組み合わせる事で

そのはめ込みパズルは機能します。

Companyを持続する事よりも、ミッションを遂行する事が大事ですし、他のcompanyにも同じ穴はある為、従業員が自分の専門、形を変える必要も意味もありません。

個人の「踏ん張り」よりも、はめ込み型パズルのデザインそのものに成功するかどうかがかかっています。

良くデザインされていれば、成果は出て成功しますし、貧しいデザインであれば成果は期待できません。

スキルをいくつも身に着けても、穴の形にフィットしなくなってしまったらどこにもはまらなくなってしまい、職が無くなってしまいます。△だけど、▽も出来るは、違う型☆になってしまってはまらなくなってしまうのです。

ですので、日本に比べてなんでも出来るgeneralist よりも、specialist専門家が好まれます。一つのspeciality専門に長けている方が、部品として良く機能しますから、市場価値があります。

日本人が出身大学を聞くのに対して、欧米人は「なんのmajor専攻?」と聞いてくるのは、この為です。「君はどんな形?」と聞いているのです。

このはめ込みパズル型、組織の中でしか機能しない、個人では何も生みだせない人にしてしまうため、pigeon haling と言われて嫌われてもいます。

 例えば、日本では漫画家さんが漫画を一人で描きますが、米国ではストーリー、鉛筆で当たりを描く人、インクでペン入れしていく人、カラーを塗る人に分かれていて、各々各分野については日本の漫画家さんよりもずっと優れていますが、一人では何も生みだすことが出来ません。

例えば宮崎駿なんて、すべての映画の「原作、脚本、監督」なんて、日本の形の成功者の最たるものですよね。米国社会では考えられないです。

日本のみこし型はフレキシブルだし、踏ん張りによって素晴らしい妙技を繰り出していくことができますが、このはめ込み型だと、優れた部品の集まりで「大きな全体」を作る事が出来ます。

プロダクトや、商売の規模が小さいうちは日本はそのサイズに比べて圧倒的な力を出すことが出来ますが、規模がある一点を超えた所で、米国式が強くなってきます。

これは、映画、ビデオゲーム、そして太平洋戦争にも言えるのではないでしょうか?

(もちろん言語の問題、そもそもの国力の要素もありますが)

Step on Someone’s toe

(他人のつま先を踏む)

アメリカに住んでいると、こんな光景に出くわすことが良くあります。

店に行くと、幾つかあるレジの一つにしか店員がいません。

必死で処理しているものの、長蛇の列です。

レジには長蛇の列なのに、カウンターの向こうでは、沢山の従業員が無駄話をしていたり、暇そうだったり。

私も米国に住んで最初の頃は「なんだこれはー!」「なんで同じ店の店員が手伝わないんだー?」と思っていました。

が、これが形の違いなのです。

レジの人はその形で雇われていて、後ろの人達は、別の形で雇われています。Qualification、資格もresponsibility、責任もspeciality、専門も違うので、他の人の仕事を手伝う能力も必要も無いのです。

逆に手伝ってしまうと、領域侵害で、むつかしい事になったりします。

Step on Someone’s toe

(他人のつま先を踏む)

というフレーズがあります。これは、自分の職の範囲ではないのに、他の人の職域に入って場を乱すという意味で、良く使われます。

日本人にとっては、欠けたみこしの担ぎ手の部分を埋める協力的な行為ですが、これをやると、Step on Someone’s toeと言われかねません。

このあたりをわきまえる事は、米国社会ではとてもセンシティブです。

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