
アメリカで一番良く聞く上司の文句はマイクロマネージです。
マイクロマネージとはwikipediaによると以下の様になっています。
Rather than giving general instructions on smaller tasks and then devoting time to supervising larger concerns, the micromanager monitors and assesses every step of a business process and avoids delegation of decisions. Micromanagers are usually irritated when a subordinate makes decisions without consulting them, even if the decisions are within the subordinate's level of authority.
沢山あるタスクに全体的なディレクションを与えて、その後大きな関心事を監督するよりも、マイクロマネージャーは、一つ一つのビジネスプロセスを監視し、評価し、そして部下に任せる事をしない。マイクロマネージャーは部下が相談無しに物事を決定すると、その決定がその部下の領分であったとしても、怒る。
「うちの上司が嫌でね」と話すと、一番目に帰ってくる答えが「Does he micromanage?」である位、マイクロマネージする上司は嫌われます。もしくは、マイクロマネージする上司は嫌われる典型的な像と言えます。
アメリカ人でマイクロマネージする人は確かにいます。
- 半日単位で進捗をチェックしないと気が済まないとか、
- 部下からのレポートを見ても、実際細部まで自分で確認しないと納得しないとか
- ある決まった、その人の好きな形でドキュメント等まとめないと許さないとか。
- 部下の仕事の進め方、アプローチの仕方を一つ一つ確認しないと進めさせないとか
ただ残念な事に、日本人が普通にアメリカでマネージャーの仕事をしようとすると、マイクロマネージになってしまいます。
駐在員、出向社員の場合は作業者として現場へ赴く可能性は少なく、大体管理職として向かうので、だいたいがマイクロマネージを炸裂させます。
そしてアメリカ人に嫌われて、よりリーダーシップが取れなくなります。
どうしてマイクロマネージになってしまうのでしょうか?
マイクロマネージをしてしまう日本人
ケース1
アメリカ人に十分な仕事をしてもらう事が出来ない為、仕事量の確保の為、毎時間仕事量をチェックする。
部下の「うまく行っているよ」を信じないでファイルを開かせて進捗チェックする。
これは大抵の現地駐在の日本人がぶつかる壁です。
これら問題と解決法に関してはリンクで詳しく解決してあります。毎時間チェックするよりもずっと良い方法があります。
ケース2
必然的にマイクロマネージになってしまうケース。
仕上げなければならないプレゼンが発生した。その為に何人かのスタッフに何をして欲しいか指示した。最終的には、それをまとめて本部にプレゼンするつもりだ。

提出されてきたので、精査してみたが、まだまだ説得力が無かったり、インパクトに欠ける部分もある。これらを直してもらえるように突っ込みをいれた。
今回仕事をお願いしたスタッフにホウレンソウ(報告、連絡、相談)を徹底してもらい、ミスがあっても対応出来るようにしておこう。
この日本社会的なやり方をアメリカでそのままやってしまうと、完全なマイクロマネージになってしまいます。
アメリカ人達の目から見えると、上のマネージメントスタイルはこの様に映ります




また、過程で問題が発生したとき



また、



このケースは日本の仕事のカルチャーの以下三つが完全に米国カルチャーのマイクロマネージに当てはまる事から起こります。
- 問題等起こった時に、部下から解決案を提示させる。
- 内容を精査し、必要がある時は「突っ込み」を入れてしっかりした物に叩いてあげる。
- ホウレンソウをしっかりする事で常に部下の仕事を把握出来、対応できるようにする
ディレクターは方向性を示し、問題解決を率い、そしてスタッフの範疇には余計な口出しをせずに、必要であれば方向修正をしましょう。

ケース3
求められるクォリティーが出せない場合
タスクを与えて、ディレクションも与えて、仕事を理解してもらった。しかし上がってきた仕事の質が低い。スタッフは「方向性は合っているか?」と聞くけど、そうじゃなくて、そもそもクォリティーが低い。スタッフのスキルが低いのを持ち上げようとしていろいろ手を尽くさないといけない場合。


これじゃ使い物にならない。なんて伝えようかな?


あくる日。。。




こちらとしてはスタンダードなクォリティーを出して欲しい。これから先戦力になって欲しいから教育しようとしているのに、マイクロマネージにされてしまいます。
この様にスタッフの力量が足りない場合、それを伸ばすのは日本人を教育するよりもおそらくずっと大変です。基本的に自分は既に素晴らしいと思うカルチャーだからです。根気よく教育しているのに、マイクロマネージだと吹聴されて、裏切られた気持ちになる事も多いにあるでしょう。会社のモラルにも影響するかもしれません。
解雇は不健康なムードを生むので、推奨できるものではありませんが、仕事が無ければ、自分の不足を感じて勉強するか、落ちていくしかありません。長い時間かけて教育しても、やめていってしまうかもしれません。
その辺は気を付けて選択する所です。